「夜中に目が覚める」のは不眠症じゃない。日本人が忘れてしまった、本来の「2回寝る」という生き方

はじめに:深夜3時、天井を見つめて自分を責めるあなたへ

こんばんは、睡眠コーチの角谷リョウです。

深夜、ふと目が覚めてしまう。 時計を見るとまだ3時。
「やばい、また起きちゃった」と焦り、無理やり寝ようとするけれど、頭はどんどん冴えていく……。

そんな夜を過ごして、「私は不眠症かもしれない」と悩んでいませんか?

もしそうなら、安心してください。 あなたの体は壊れていません。
むしろ、「進化の歴史通りに、正しく機能している」と言えるかもしれません。

今日は、現代人が囚われている「8時間連続睡眠」という呪いを解き、かつての日本人が当たり前に行っていた、ある「豊かな夜の過ごし方」についてお話しします。

「朝までぐっすり」は、人類史上ごく最近のルール

実は、「毎日8時間まとめて寝るべき」という常識は、人類の長い歴史から見ればほんの最近、ここ150年ほどで生まれた「新しいルール」に過ぎません。

明治時代以前、電気もなく時計もあやふやだった頃(不定時法)、人々は自然のリズムで生きていました。
日が暮れたら寝て、深夜に一度自然と目を覚まし、1〜2時間ほど起きて過ごしてから、また明け方まで眠る。
これを「分割睡眠(二相性睡眠)」と言います。

かつての日本人にとって、夜中の目覚めは「異常」ではありませんでした。
囲炉裏で火を眺めたり、静かに考え事をしたり、パートナーと語り合ったりする、「一日の中で最も静かで、誰にも邪魔されない豊かな時間」だったのです。

なぜ現代人は「連続睡眠」を強いられるのか

では、なぜ今は「途中で起きるのはダメ」と言われるのでしょうか?
それは、明治以降の近代化で「工場労働」が始まったからです。

工場のサイレンに合わせて一斉に働き、一斉に休む。
そのためには、夜中に起きてダラダラ過ごす「分割睡眠」は非効率でした。
だから、「夜は一度でまとめて寝て、朝まで起きないのが正しい労働者だ」という価値観が作られ、教育されたのです。

つまり、あなたが夜中に目が覚めるのは、病気だからではありません。
あなたのDNAが、工場の都合で書き換えられる前の「人間本来のリズム」を覚えているからなのです。

分割睡眠という「第3の選択肢」

私のクライアントでも、不眠に悩んでいた方の多くが、この「分割睡眠」を取り入れることで劇的に楽になっています。

「夜中に目が覚めてもいいんだ」 そう思えるだけで、プレッシャーは消えます。

もし目が覚めたら、無理に寝ようとせず、布団から出てみてください。 そして、その静寂を楽しんでしまうのです。

  • 温かいお茶を淹れて、香りを吸い込む。
  • 読みかけの本を数ページ読む。
  • 窓の外の月を眺める。
  • ただボーッとして、浮かんできたアイデアをメモする。

スマホやテレビは見ずに、薄暗い部屋で「何もしない時間」を過ごす。
そして1時間ほどして眠気が戻ってきたら、また布団に入る。 この「二度目の眠り」は、驚くほど深く、気持ちの良いものになります。

夜中に目が覚めるのは、才能かもしれない

夜中に目が覚めることを「中途覚醒」と呼んで病気扱いするのは、もうやめにしませんか?
それは、現代社会の忙しないリズムから離れ、自分自身と向き合える「ボーナスタイム」かもしれません。

もし今夜、ふと目が覚めたら。
「ああ、ダメだ」と自分を責めるのではなく、 「お、私の野生が目覚めたな。少し静かな時間を楽しもうか」 と、ニヤリと笑ってみてください。

その余裕が、あなたの夜を「苦しい時間」から「愛おしい時間」に変えてくれるはずです。

それでは、良い夜を。 おやすみなさい。

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