「暗いところで読書すると目が悪くなる」は嘘?寝る前の読書を「最高の睡眠導入剤」に変える照明の科学

はじめに:その「親の教え」、実は迷信かもしれません
こんばんは、睡眠コーチの角谷リョウです。
子供の頃、親にこう言われたことはありませんか? 「こら、暗いところで本を読んだら目が悪くなるでしょ!」
大人になった今でも、寝る前の読書中にふと思い出して、罪悪感を感じながら電気を明るくしたりしていませんか?
本を読む時間は、一日の中で最もリラックスできる至福の時間。 なのに、「目に悪いかも」と心配しながらでは、心から没頭できませんよね。
今日は、そんなあなたの不安を払拭する「目の科学」と、読書をしながら泥のように眠るための「光のレシピ」をお伝えします。
「暗所読書=視力低下」の真実
結論から申し上げます。 「暗い場所で本を読んでも、視力が恒久的に低下する科学的根拠はない」というのが、現在の医学的な見解です。
もちろん、暗いとピント合わせに筋肉を使うので、一時的に目は疲れます(眼精疲労)。
でもそれは「筋トレで筋肉痛になった」のと同じ。休めば回復する疲れであり、眼球の構造が変わって近視になるわけではないのです。
つまり、「暗いから目に悪い」と怖がる必要はありません。
むしろ、寝る前の読書においては、「明るすぎること」の方がよっぽど体に悪いのです。
明るすぎる部屋は、脳を「夜勤モード」にする
視力よりも気にすべきなのは、「睡眠ホルモン(メラトニン)」への影響です。
夜、白い蛍光灯の下で本を読んでいませんか?
実は、たった30ルクス(薄暗い部屋レベル)の青白い光を浴びるだけでも、メラトニンの分泌は50%以上も減少してしまいます。
「読書をしていたら、眠くなるどころか目が冴えてきた」
その原因は、本の内容が面白いからではなく、光が脳を「朝だ!起きろ!」と叩き起こしているからかもしれません。
良かれと思って明るくすることが、逆に睡眠の質を下げているのです。
最高の読書環境を作る「光のレシピ」
では、目にも優しく、かつ眠くなる照明とはどんなものでしょうか? 正解は、「夕焼け」を再現することです。
1. 色は「電球色(オレンジ)」一択
白い光(昼光色)は脳を覚醒させます。
寝る前は、焚き火や夕焼けのような、温かみのあるオレンジ色の光(2700K以下)を選んでください。
2. 明るさは「文字が読めるギリギリ」でいい
睡眠を守るための理想は8ルクス以下とされていますが、これだと読書には暗すぎます。
おすすめは、手元だけを照らす読書灯を使い、「文字は読めるけど、部屋全体は薄暗い」状態を作ることです。
3. スマホ読書はNG、KindleならOK
スマホのバックライトは、光の銃を網膜に撃ち込んでいるようなもの。
メラトニンが激減します。 電子書籍派なら、Kindle Paperwhiteのような「フロントライト方式(画面を上から照らすタイプ)」を選び、明るさを最小・色温度を最大(暖色)に設定してください。これなら、紙の本に近い感覚で読めます。
おわりに:ページをめくるたび、夢の中へ
「目は悪くならない」と知った今、もう罪悪感を持つ必要はありません。
今夜は部屋の電気を消して、小さな読書灯だけをつけてみてください。
その薄暗がりの中でページをめくっていると、文字を追うリズムに合わせて、心拍数がゆっくりと下がっていくのを感じるはずです。
そして気づけば、本が手から滑り落ち、心地よい眠りの中へ……。
それこそが、最高の読書体験であり、最高の睡眠導入です。
さあ、今夜はどの本と一緒に眠りますか? 素敵な夢の旅を。
