「寝溜め」は科学的に不可能です。でも、青山学院大学駅伝部が実践する「睡眠ストック」なら、あなたの人生を救えるかもしれない

はじめに:「週末にまとめて寝ればいいや」と思っているあなたへ

こんばんは、睡眠コーチの角谷リョウです。

金曜日の夜。 「明日は休みだから、昼まで寝よう!」 そう思って夜更かしをし、土曜日はお昼過ぎに起きて、なんだか頭が重いまま過ごす……。
そんな週末を繰り返していませんか?

「平日の睡眠不足を、週末の寝溜めでチャラにする」 これは多くの忙しいビジネスパーソンが抱く夢ですが、残念ながら残酷な事実を
お伝えしなければなりません。

科学的に見て、「寝溜め」は不可能です。

今日は、なぜ寝溜めができないのかという科学的な理由と、それでもなお有効な「睡眠の貯金法」について、
箱根駅伝の常勝軍団・青山学院大学の事例を交えてお話しします。

寝溜めができない科学的理由

私たちの体は、睡眠を「貯金」することができません。
週末に12時間寝たとしても、それは「未来のために寝ておいた」のではなく、「過去の負債(睡眠不足)を返済しただけ」に過ぎません。

スタンフォード大学の研究でも、被験者を毎日14時間ベッドに入れたところ、最初の数週間は長く眠りましたが、最終的には約8時間に落ち着いたというデータがあります。
つまり、体が必要とする睡眠時間には限界があり、それ以上寝ても「貯金」にはならず、ただ生活リズムを崩すだけなのです。

平日の借金を週末に返す生活は、脳のパフォーマンスを回復させるどころか、「社会的時差ボケ(ソーシャル・ジェットラグ)」を引き起こし、
月曜日の朝をさらに辛くさせるだけです。

青学・原監督が実践する「睡眠ストック」の正体

「じゃあ、毎日キッチリ寝なきゃダメなの?」 そう絶望するのは早いです。
ここで、青山学院大学陸上競技部の原晋監督が実践している「睡眠ストック」という考え方をご紹介しましょう。

彼らは、箱根駅伝などの大会が近づくと、選手たちの睡眠時間を少しずつ増やしていきます。
普段7時間なら、7時間半、8時間と、意図的に睡眠時間を伸ばしていくのです。

これは「寝溜め」とは違います。 「コンディションを極限まで整えておくための、戦略的な準備」です。

「もし眠れなくても大丈夫」という最強の安心感

この「睡眠ストック」の最大のメリットは、当日への精神的な保険です。

大事なプレゼンや試験の前夜。 「緊張して眠れない……どうしよう」と焦った経験はありませんか?
そんな時、もし1週間前からしっかり睡眠をストックしておけば、 「まあ、ここ数日しっかり寝てきたし、今日くらい眠れなくても大丈夫だ」 と開き直ることができます。

実際、多少の睡眠不足でも、前日までに十分な睡眠が取れていれば、当日のパフォーマンスは大きく崩れないことがわかっています。
この「心の余裕」こそが、本番で実力を発揮するための鍵なのです。

睡眠は「逃げ」ではなく「攻めの準備」

原監督は、睡眠を「ただの休息」ではなく「トレーニングの一部」と位置づけています。
寮の消灯時間を守らせ、高反発マットレスなどの環境投資を惜しまない。
それは、睡眠こそが最強の回復薬であり、勝つための武器だと知っているからです。

私たちビジネスパーソンも同じです。
「忙しいから寝ない」のではなく、「ここぞという時に戦えるように寝ておく」
それが、プロフェッショナルとしての「攻めの準備」なのです。

おわりに:今夜の睡眠は、未来への投資になる

「寝溜め」はできませんが、「準備」はできます。

もし来週、大事な仕事が控えているなら。
今日からいつもより15分だけ早く布団に入ってみてください。
その積み重ねが、当日のあなたを支える「見えない貯金」になります。

眠ることは、サボることではありません。 未来の自分を助けるための、最も確実な投資なのですから。

それでは、今夜もしっかりストックしていきましょう。 おやすみなさい。

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