「夕方出勤して、翌日の昼まで」その過酷なW勤務を、体を壊さずに乗り切るための科学的なセルフケア

はじめに:長時間勤務で、心と体がすり減っていませんか?
こんばんは、睡眠コーチの角谷リョウです。
ホテル業界や介護、警備などの現場で働く皆さん。 「今日は夕方から出勤して、仕事が終わるのは明日の昼過ぎ……」
そんな「W勤務(ダブル勤務)」と呼ばれるシフトに、体力の限界を感じてはいませんか?
本来ならぐっすり眠っているはずの時間に働き続け、さらに朝日が昇ってからも業務が続く。
これは人間の生体リズムに真っ向から逆らう行為であり、体にとっては相当な負担です。
「若いから大丈夫」「慣れれば平気」と自分に言い聞かせているかもしれませんが、実は体の中では、目に見えないダメージが蓄積しているかもしれません。
今日は、そんな過酷なシフトを、少しでも楽に、そして安全に乗り切るための「プロの防衛策」をお伝えします。
W勤務は「気合」ではなく「技術」で乗り越える
W勤務の何が辛いかというと、「体は寝たいのに、脳を無理やり起こし続けている」状態が10時間以上続くことです。
海外の研究でも、この勤務形態は通常の勤務に比べて、
- 認知機能が約50%低下(泥酔状態と同じレベル)
- 心血管疾患のリスクが約40%上昇 という衝撃的なデータが出ています。
でも、怖がらせたいわけではありません。
大切なのは、「W勤務は体に悪い」と嘆くことではなく、「対策をすればリスクは減らせる」と知ることです。
W勤務は、気合や根性で乗り切るものではありません。正しい「技術(テクニック)」で攻略するものなのです。
【出勤前】勝負は「家を出る前」に決まっている
W勤務を楽にする鍵は、「事前に体を夜型へスライドさせること」にあります。
1. 「夕方90分の仮眠」が命綱
15時〜17時頃に、90分ほどの仮眠をとってください。 眠れなくても構いません。
目を閉じて横になるだけで、脳の疲労物質は掃除されます。
この「事前の充電」があるかないかで、深夜3時以降のパフォーマンスが劇的に変わります。
2. 食事は「消化に優しく」
出勤前のカツ丼やラーメンは、深夜の眠気を誘発する時限爆弾です。
うどん、鶏むね肉、豆腐など、消化に良いものを腹八分目で。胃腸の負担を減らすことが、脳の覚醒を助けます。
【勤務中】深夜3時の「魔の時間」をどう過ごすか
人間の生体リズムが最も低下し、ミスが多発するのは深夜3時〜5時です。ここをどう乗り切るかが最大の山場です。
1. 20分でもいいから仮眠をとる
もし休憩が取れるなら、この時間帯に20〜30分の「パワーナップ(仮眠)」をとってください。
これだけで、明け方の脳のキレが復活します。
2. カフェインは「使い所」を見極める
眠いからといってダラダラ飲み続けるのはNGです。
仮眠をとる直前(カフェインナップ)や、仮眠明けの再起動スイッチとして使うのが最も効果的です。
【退勤後】帰宅こそが、最大のミッション
仕事が終わって「お疲れ様!」と外に出た瞬間、強烈な朝日を浴びる。
実はこれ、W勤務明けの体にとっては一番やってはいけないことです。
朝の強い光は、脳に「朝だ!起きろ!」と命令を送り、その後の睡眠の質を下げてしまいます。
帰宅時は、サングラスや帽子で光を遮ってください。
怪しい人に見えるかもしれませんが(笑)、あなたの睡眠を守るためには必要な装備です。
そして帰宅後は、一気に8時間寝ようとせず、
- 帰宅直後: 2〜3時間の仮眠(まずは体を休める)
- 夕方以降: 5〜6時間の本睡眠(リズムを整える) という「分割睡眠」を取り入れると、翌日のダルさが驚くほど軽減されます。
おわりに:あなたの頑張りを、体は知っています
W勤務は、決して楽な働き方ではありません。
誰かが休んでいる時間に、社会を支えてくれているあなたに、心から敬意を表します。
だからこそ、どうか自分を大切にしてください。
仮眠をとる、食事を変える、光を避ける。 そんな小さな選択の一つひとつが、あなたの体を守る「盾」になります。
無理せず、賢く整えて。 今日も安全に、行ってらっしゃい!
