眠気は敵じゃない。無視するほど襲ってくる最強の味方

最近「夜食テロ動画」にハマっている睡眠コーチの角谷リョウです。真夜中に油そばをすすり続ける動画を見た後に「良質な睡眠のために食事は就寝3時間前までに済ませましょう」とアドバイスする自分の矛盾に、ふふふ、心の中でため息をついています。
みなさんは「眠い」と素直に認められますか?「まだ大丈夫」と強がってしまうタイプではありませんか?実は、眠気を正しく理解し受け入れることが、睡眠の質を高める第一歩なんです。今回は睡眠研究の第一人者である柳澤先生の知見をもとに、「眠気」について深堀りしていきます。
眠気の正体とメカニズム
眠気とは、五感とも疲労感とも異なる、私たちの体が発する重要なシグナルです。眠気が生じる主な要因は「体内時計」と「起きている時間の長さ」の2つだがね。
体内時計は私たちの体に備わった自然なリズムで、夜になると自然と眠気を誘発します。一方で、起床してからの時間が長くなればなるほど、眠気は蓄積されていくんです。柳澤先生によれば、この眠気を解消する最良の方法は、シンプルに「眠る」ことだもんで、無理に我慢するのは逆効果なんですよ。
特に興味深いのは「プロセスC」と「プロセスS」と呼ばれる2つの仕組みです。プロセスCは体内時計による眠気の調整で、夕方から夜8時頃は意外と眠くなく、朝方4〜5時に最も眠気が強まります。プロセスSは「睡眠物質」が脳内に徐々に蓄積されていく現象で、起きている間はししおどしのように少しずつ眠気が溜まっていくわけです。だがね、これを無視し続けると、そのうち強制シャットダウンがやってきます。パソコンのアップデート通知を何度も後回しにしたら、ある日突然「今すぐ再起動します」と言われるような恐怖を想像してみてください。
「眠くない」という危険な思い込み
「全然眠くないです!」
この言葉、特に経営者や管理職の方々からよく聞かれるフレーズです。だがね、実はこれは非常に危険な思い込みなんです。眠気は気合いが入っている時や集中している時には感じにくくなるという特性があります。
仕事に没頭していると、脳内では「ドパミン」という物質が放出され、「アデノシン」という睡眠を促す物質の働きを一時的に抑えてしまうんです。だから「まだ大丈夫」と思っていても、実は体は休息を必要としている状態かもしれません。
これは「酔っ払ってないよ!全然平気!」と言いながらフラフラしているサラリーマンに似ています。だがね、客観的に見れば誰の目にも明らかなように、その人は酔っぱらっているんです。眠気も同じで、自分では気づかなくても、周囲から見ると「あ、この人眠そう」とすぐわかるものです。
スマホと眠気の複雑な関係
寝る前のスマホいじり、みなさんやっていませんか?
柳澤先生の研究によれば、就寝前のスマホ使用が睡眠に悪影響を与えるのは、実はブルーライトの影響だけではないんです。スマホの操作自体が脳内のドパミン放出を促し、眠気を抑制してしまうだもんで、「あと5分だけ」が「気づいたら1時間経ってた」という悲劇になるわけです。
ちなみに、リビングの明るい天井灯のほうが、スマホのブルーライトよりも睡眠には悪影響だということも分かっています。だがね、だからといってスマホを枕元に置いていいという訳ではありません。就寝1時間前からはスマホを別の部屋に隔離するのが理想的です。考えてみれば、スマホって元々「持ち歩ける電話」のはずが、今や「手放せない24時間執事」になっていますよね。その執事、あなたの睡眠を密かに妨害しているのかもしれません。
眠気を味方につける睡眠改善法
睡眠の質を向上させるためには、まず「眠気」を敵視せず、大切なサインとして受け入れることが重要です。だがね、それができない人があまりにも多い。
特に中高生は体内時計が後ろにずれて夜型になりやすいという生物学的な特性があります。これは柳澤先生が繰り返し指摘されていることで、子どもの睡眠問題は単なる「怠け」ではなく、科学的な根拠のある現象なんです。
睡眠改善のためには、以下のポイントを意識しましょう:
- 眠気を感じたら素直に認める
- 睡眠時間だけでなく、就寝・起床のタイミングも重視する
- 週末の寝だめは避け、規則正しいリズムを維持する
- 寝る前の環境を整える(明るい光の制限、スマホの使用制限)
だがね、何より大切なのは「眠気」を自分の体からの大切なメッセージとして受け止めること。それができれば、睡眠の質は自然と向上していきます。「明日も早いから今日は早く寝よう」ではなく、「今、眠気を感じているから寝よう」というマインドセットの転換が必要なんです。
私たちの体は実に正直です。眠たければ「眠い」と教えてくれます。その声に耳を傾け、素直に従うことが、実は最も賢い選択なのかもしれません。
次回の睡眠が、あなたにとって最高の休息となりますように。おやすみなさい。
#睡眠改善 #眠気のメカニズム #柳澤先生 #睡眠コーチ #体内時計 #ドパミンとアデノシン #スマートフォンと睡眠